筆坂秀世 政治評論家

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政治評論家の中には元政治家も多く含まれますが、その中の多くは自民党の出身です。その中で珍しく共産党出身の元政治家が政治評論家をしています。筆坂秀世さんがその1人です。1948年2月28日生まれ、71歳の筆坂秀世さんは兵庫県川辺郡猪名川町の出身です。実家が農家で、5人兄弟の末っ子として生まれた筆坂さんは、兵庫県立伊丹高等学校を卒業後、銀行に勤務します。その後、日本共産党に入党、尊敬していた小林多喜二もまた自らと同じ銀行員だったことも関係していたようです。25歳で銀行員を辞めると、共産党議員の秘書となります。1度選挙に立候補するも落選、その後共産党内の役職に就きながら、1995年、参議院選挙において比例区で当選を果たします。日本共産党のナンバー4とまで言われた筆坂さんでしたが、2003年、セクハラ疑惑が浮上したことで共産党内でバッシングにあり、議員辞職に追い込まれます。弁明の機会は一切与えられなかった筆坂さん、当初は警告程度に済むはずが突如大事になったことに対し、色々な反感を抱くようになり、2005年共産党を離党します。


離党後の筆坂さんは政治の舞台には戻ろうとせず、これまでのスタンスを大きく変えることになります。共産党に対して痛烈な批判を展開するようになり、共産党バッシングを展開。これを受けてそれまで敬遠してきた保守系の雑誌にも寄稿するなど、これまでの政治家人生と大きく異なる日々をすごします。2015年には「日本共産党中韓 左から右へ大転換してわかったこと」という本を発売。明らかに思想信条を変えたことがわかる一冊です。現在の筆坂さんは主に保守的な意見しか出てこないようなネット番組や媒体に数多く出るようになり、共産党に対する見解をたずねる時などはほとんどのケースで筆坂さんが出てきます。共産党出身の政治評論家は現状ではほとんど少なく、しかも、出てきた人でもスタンスは近い人が多い中、共産党から完全に距離を置いた人は珍しいです。だからこそ、筆坂さんが抜擢されているわけです。


筆坂さんは、現在も共産党のことになればメディアでコメントを寄せるなど、共産党の体質を知る人物として重宝がられています。それだけ共産党内部が依然変わらない状況というわけですが、どのような政治的力学で動いているのか、わかりにくいからこそ、筆坂さんの解説は理解しやすいです。今後も大活躍する可能性が高いです。