田勢康弘 政治評論家

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猫が大好きな人は政治評論家に限らず多くいますが、その中で猫を自分の番組に出させて自由に歩かせることを提案し、実現させた方がいます。それが田勢康弘さんです。1944年10月8日生まれ、75歳の田勢康弘さんは満州の出身です。1944年満州で生まれた田勢さん、その後日本に戻り、青森県山形県で暮らし、その後上京します。早稲田大学政治経済学部を卒業すると、日本経済新聞社に入社し、政治部の記者やワシントン特派員、支局長を歴任、編集委員なども務めます。


田勢さんが政治評論家としての真骨頂を発揮したのは政局予想の小説を書いた時です。1993年に起きた政権交代に際し、羽田派が離党して自民党以外の連立政権が発足するという予想を小説の中で打ち立てます。結果的にこれが大当たりとなり、当時の著者名だった黒河小太郎とは誰か、話題を集めます。後に黒河小太郎は自分であったことを告白し、文庫版が発売される時には田勢さんの名前で出されています。2007年にあった参院選においても、票読みが完璧で、多くの政治評論家が与党に配慮した予想をする中、田勢さんは与党の惨敗を予想し的中させています。


田勢さんは多くの政治家との取材を行いましたが、その中で常に緊張した政治家として宮沢喜一さんを挙げています。笑顔で柔和なイメージがありながらも、実際は冷淡で愛想がなく、宮沢さんの人となりを知らない人からは恐れられていました。実際に長く付き合っていくと、最初に関係を拒み、長い時間をかけて数少ない人に心を許すという感じだったようです。田勢さんは2008年から週刊ニュース新書のメインコメンテーターに抜擢され、大人向けのニュース番組と銘打ち、8年間続きました。その中で印象的だったのは猫を歩かせるという演出。猫が大好きだった田勢さんの発案で当初は自宅の猫を使う予定でしたが、奥さんに反対されて断念。報道番組であるにもかかわらず猫を出演させるのは世界的に見ても異例でしたが、好評だった様子。初代の猫が亡くなった際にはアナウンサーが涙を流す場面も。2代目の猫を探す際には田勢さん自らお見合いを行い、見つけ出すなどの熱の入れようでした。


政治評論家としては地味な部類だった田勢さん、しかし票読みはいつの時代も合っており、その評論も決して的外れなものではありませんでした。今の政治にどのようなことを思っているのか、まだまだ現役の政治評論家としての見解を聞きたいところです。