岩見隆夫 政治評論家

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亡くなる直前まで政治評論家として日本を憂いてきた人物がいます。それが岩見隆夫さんです。1935年10月6日生まれ、当時は日本が管理していた大連出身の岩見隆夫さん。日本に帰国後は山口県防府市で育ち、地元の高校を卒業後、京都大学法学部に進学。卒業した岩見さんは1958年毎日新聞社に入社します。最初は社会部記者、その後、政治部記者、政治部副部長、論説委員サンデー毎日編集長など様々な職に尽きます。そして2007年、71歳まで毎日新聞に在籍し、その後は政治評論家に転身します。


政治評論家になった岩見さんですが、1989年、まだ毎日新聞に在籍する頃から、毎日新聞サンデー毎日に連載を持ち、2013年まで実に25年ほど週に1回のコラムを書き続けました。どちらかといえば左派よりの毎日新聞の中で保守的な考え方を持つ論客として出続けます。政治評論家としては連載やコラムで高い評価を厚め、過去には日本記者クラブ賞を受賞するなど立派な活躍を残しています。テレビにも出ることが多かった岩見さん、TBSだけでなく、フジテレビやテレビ朝日にも出演。特にテレビ朝日の番組、やじうまワイドやじうまプラスに長年出続けるなど、その姿を毎週のように見ることができました。またTBSの開局当初から放送され、途中中断していた時事放談が復活した際には、岩見さんが司会を担当。政治のことを語る番組のホストを務めます。また、みのもんたのサタデーずばッとでは毎週のように出演し、みのもんたさんとのやり取りも話題を集めます。


著書は数多く、田中角栄氏や橋本龍太郎氏、岸信介氏などの本や平成に起きた政治の変化についての本なども数多く書いてきました。息子は市議会議員を務めるなどジャーナリストの道ではなく、政治の道へ進むなど、政治を報じる側、政治を行う側に分かれた形です。


2013年になり、肝がんであることを公表、しかも末期であると明らかにし、緊急手術を受けて仕事を完全にストップさせて治療に専念します。それでもコラムだけは継続させますが、体力の限界が訪れ、2013年末にはコラムはストップ。2014年1月18日、肺炎でこの世を去ります。78歳の生涯でしたが、昭和から平成の激動の政治を現場から見続け、後輩たちの指導にあたってきた岩見さん。そのマインドは今も多くの記者たちに受け継がれていることでしょう。