松原耕二 政治評論家

f:id:hyouronka:20200109044023j:plain

 

本来メディアに属する人間は政治評論家ではありませんが、退職すれば間違いなく政治評論家になるであろう人がいます。それが松原耕二さんです。1960年8月12日生まれ、59歳の松原耕二さんは山口県下関市の出身です。早稲田大学政治経済学部を卒業した松原さんはTBSに入社、報道局の記者になります。1989年、鳴り物入りで始まった筑紫哲也NEWS23にはディレクターとして参加、1991年には朝のニュース番組のメインキャスターに抜擢されます。その後報道特集のディレクターを務め、1997年、夕方に放送されていたニュースの森のメインキャスターに。2004年にはニューヨーク支局長に就任します。アナウンサーだったわけではなく、当初から記者として活動し、メインキャスターとして表舞台にも出るようになったというなかなか稀有な経歴を持っています。


帰国後は報道局のプロデューサーとしてサンデーモーニングを担当しますが、やはり表舞台に呼ばれることになり、NEWS23XやBS-TBSの週刊報道LIFE、報道1930のメインキャスターに就きます。社会部、経済部と政治とは違う分野で記者をしていたこともある松原さんですが、政治にも密接に絡んでおり、ニューヨーク支局長時代には全くの無名だったオバマ前大統領の歴史に残る演説に立ち会う強運を見せます。キャスター時代には官房機密費問題で野中広務氏から具体的な金額を引き出す他、1998年には参議院選で惨敗した当時の総理大臣橋本龍太郎氏から辞任を引き出すインタビュー、カストロ議長へのインタビュー、民主党代表選で候補者だった政治家を出演させてインタビュアーを務め、番組内で党首討論を行わせます。


このように、政治評論家ではないものの、政治と密接に絡み、大きな影響を生み出したケースは少なくありません。意外なところでは小説を書き上げており、作家としての姿も見せています。報道にどっぷりと浸かり、時の政権に対して鋭く切り込んでいく姿はキャスターだけでなく、ディレクター、プロデューサーを務め、視聴者が何を求め、メディアは何をすべきなのかを分かり切った人にしかできない業といえるでしょう。


定年が近づき、2020年には何かしらの選択をするであろう松原さん。それが政治家への転身か、政治評論家への鞍替えか、はたまたTBSに出続けるのか、そのあたりはまだこれからのこと。ただ政治評論家として十分なキャリアが積み重ねられています。